初風炉の茶事に招かれて

 豪雨続く日の茶会でした。
所は秋月、竹地蔵尊の入り口を登り
とうもろこし畑を過ぎて、侘びた門を潜ると
外腰掛が見え、蹲から飛石を渡り茶室に入る
 ここには小間が二つあるので、ご亭主を目で
追わないと茶庭を迷って別の部屋に行ってしまいそう。
来客は七人。ご亭主と私だけが同門ということで、
きつくご辞退したにもかかわらず正客を指名された。
 初風炉鱗灰の贅沢、控えめな蕎麦の花、
話題の道具類、心尽くしの懐石と日常を忘れる
ひとときを過ごさせていただいた。
 天の助けか・・・露地を歩く時には必ず雨が去り、
露地笠は不慣れな正客を隠してくれるように優しかった。